下田に住んでいても隅からスミまで知っている訳じゃありません。
普段通る道はだいたい同じ、タマには違う通りを通ってみると意外な発見!!
洋服文化になって幾歳月、普段は縁の無い染物屋の前を通ると気になる張り紙数年前から見直されて密かなブームだとの噂は聞いたことがあるけど下田にもあったんですね。
是非見たいと思ったのですがその日はお休み、でもどうしても見たくて日を改めて伺ってみました。
それは旧三丁目、現在は「ハンギングバスケット通り」と呼ばれ四季の花が和ませてくれる通りにある相馬京染店さん、昔は下田にも何軒かありましたが時代の流れか旧町内ではこちらの1軒。
昭和の香りがぷんぷん 相馬京染店
昔ながらのお店で広く開けられた玄関、ご近所の方もつい座り込んで話し込んでしまうのも頷けます。明るい気さくなご夫婦で昔の下田の話や染物のこと色々話して下さいました。
下田の夏祭りに欠かせない肉襦袢
こちらのお店では下田の太鼓祭りに欠かせない肉襦袢を染めています。昔は何店舗かあった染物店で手分けして作っていたそうですが現在肉襦袢を作っているのはこちらだけ、「全町の分を作りたいのはやまやまだけど、すべて手作業になるのでやり切れないので一部の町の肉襦袢と浴衣を作らせてもらってるんです」と語るご主人。
連獅子の肉襦袢
物心ついた時から下田の祭だけを見てきた私には祭の衣装は色柄の肉襦袢が普通だと思っていたのですが下田の肉襦袢って珍しいらしいです。
肉襦袢は何種類かあり相馬さんで染めているのは「龍」と「牡丹」何でこの色や柄なの? 答えは「刺青」だそうです。
だから下田の肉襦袢の地色は肌色、新しいと少し色が濃いけど着込むほどに肌に近い色になり染めは刺青を表しているそうです。
この肉襦袢は下田独特のものらしい。
そう言われてみれば他のお祭りは白が多い、最近はオシャレな色柄モノもよく見かけるようになってきましたが刺青をあしらった襦袢てあまり見かけませんね。
話をしているうちに「以前雑誌に載ったんですよ」と見せて下さいました。
ご主人が良い顔で写ってます、しかし私はその後ろに写る暖簾に一目惚れ!
「これって道具ですよね!」
「そうです、うちで作りました」
「見たいです!」
毎年お祭のときにかけるそうです。
お祭の時に街中にかかっていたらなんかステキ、とか祭り好きにプレゼントも良いな~なんて思っちゃいました。
その後奥さんが「肉襦袢のハギレでベスト作ってみたの。」と見せてくださいました。
そして肉襦袢のポシェットもありました!
なんてステキ!祭りに参加できないけどこんなの身につけてたらちょっと特別な気分になれるかも。
お祭りのときに小物入れて…ちょっと粋じゃないですか!
このほかバックなども色々あってすべてが世界にひとつのオリジナル。
下田の街は大正ロマンと昭和レトロの名残が所々にあります。
相馬京染店のあるハンギングバスケット通り、のんびり歩いてみて下さい。
気になっていた「ふんどし」ですがとても残念なことに売り切れでした。
ほとんどは観光客が買っていかれたそうです。
話も弾みオリジナルグッズも心ひかれるものばかり、「ふんどし」が見れなかったことだけが心残り、
又お店に並べてくれたら良いな~と内心思いながらも使う自信がないのでお願いできませんでした。
相馬京染店はお祭り好きな女将が営む賀楽太のすぐそばです。
-
相馬京染店・・・0558-22-0697
コメントする